それが僕への最後の言葉なら、こんな風にして終わるもの。さよならは式の隅っこで声だけころして泣いた。
晴れているのに少し風が強くて、いつもより海の近くにいるせいかな。笑い声とベレー帽は飛ばされて、追いかけて走り出したら転んでしまった。
「また今度来るときは大きな電車に乗ってこよう。錆び付いた窓を上げて、結んだ弁当をほどいて…」そんなことを言っていたのに。
やさしい顔は目を閉じて、今までの想いを静かに教えてくれているみたいだ。追いかけて走り出したら転んでしまった。
また今度来る時は大きな電車に乗ってこよう。錆び付いた窓を上げて、結んだ弁当をほどいて、おにぎりはまた転がっていく。
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